ハーバー=ボッシュ法(読み)ハーバーボッシュほう

百科事典マイペディア 「ハーバー=ボッシュ法」の意味・わかりやすい解説

ハーバー=ボッシュ法【ハーバーボッシュほう】

1910年代にF.ハーバーの理論的研究に基づきK.ボッシュが工業的に完成したアンモニア合成法。体積比で1:3の窒素水素の混合気体を約250気圧に加圧し,400〜450℃で,酸化鉄(III)鉄(II)Fe3O4主体とし酸化アルミニウム酸化カリウム添加した触媒層を通し,生成するアンモニア冷却または水で吸収して分離する。→アンモニア合成
→関連項目アンモニア肥料工業硫安工業

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハーバー=ボッシュ法」の意味・わかりやすい解説

ハーバー=ボッシュ法
ハーバー=ボッシュほう
Haber-Bosch process

アンモニア合成法の代表的方式。窒素と水素からアンモニアを合成する方法で,温度 500~600℃,圧力 300気圧,触媒 (酸化鉄に酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化カリウムを添加) の条件で行なわれる。ドイツワルター・ヘルマン・ネルンストが理論的に扱っていたが,フリッツ・ハーバー工業化のための条件を明らかにし,カール・ボッシュが完成した (1909) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「ハーバー=ボッシュ法」の意味・わかりやすい解説

ハーバー=ボッシュ法 (ハーバーボッシュほう)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のハーバー=ボッシュ法の言及

【アンモニア】より

…さらにイーゲー・ファルベン社において,K.ボッシュらが高圧装置を,ミタッシュA.Mittashらが触媒を,おのおの探究し,1910年代にアンモニア合成プロセスの完成をみた。これがハーバー=ボッシュ法Harber‐Bosch process(IG法)である。その後,合成工程内の各条件にそれぞれ特色をもたせたクロードClaude法,カザレーCasale法,ファウザーFauser法,ウーデUhde法,NEC法,東工試法の諸法が30年ごろまでに出そろった。…

【ボッシュ】より

…1908年アンモニア合成についてのハーバー法が実験室的に成功するや,BASF社は直ちにF.ハーバーと共同研究の契約を結び,09年,ボッシュがハーバー法工業化研究の責任者となった。彼は多数の化学者や装置技術者を組織して,触媒と高温高圧の技術を開発し,アンモニアの接触合成法〈ハーバー=ボッシュ法〉を確立し,13年,オッパウの工場で年間3万6000tの硫安を生産することに成功した。この合成法は,第1次世界大戦中にはアンモニアの酸化により火薬用硝酸の製造に,さらに尿素肥料の製造に利用された。…

【郡上一揆】より

…この後に登用される幕閣が,田沼政権に連なっていくところから,郡上一揆は幕政転換の契機となったとされている。また,この一揆を講談化して口演した馬場文耕が幕政を批判したとして獄門に処せられ,その講談本《平かな森の雫》が発禁とされたことも,幕府の思想統制の強化のはじまりをしめすものとして注目されている。【松田 之利】。…

【講談】より

…宝暦・明和(1751‐72)のころに,男根形の棒を手に,僧侶・女性を痛罵する講釈で異彩を放ったのは深井志道軒(1682‐1765)で,彼のことは平賀源内の《風流志道軒伝》に記されている。馬場文耕は講釈場(略して釈場(しやくば)という)の整備につとめたが幕政批判が注目され,1758年(宝暦8)9月に金森騒動を扱った《珍説森の雫(しずく)》を読んで処刑された。 天明(1781‐89)のころから講釈は一段と栄え,仇討物,博徒物,心中物,俠客(きようかく)物,白浪物など読み物がふえていった。…

※「ハーバー=ボッシュ法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android