ハーフィズイブラーヒーム(英語表記)Ḥāfiz Ibrāhīm

改訂新版 世界大百科事典 の解説

ハーフィズ・イブラーヒーム
Ḥāfiz Ibrāhīm
生没年:1871-1932

エジプト詩人ナイル川船上で生まれたことから〈ナイルの詩人〉という尊称によって知られる。上エジプトに技術官の父とトルコ女性の母との間に生まれる。カイロ兵学校に入り,そこで激しい政治運動を展開したためスーダンに左遷される。そこでもイギリス人指揮官に対する反抗ゆえに退役させられ,カイロで職もなく長いこと暮らす。政治的・社会的内容をもつ詩作を行い,後半生はダール・アルクトブ(図書館)に職を得るが,一転して保守的になる。よって人々は〈ハーフィズが沈黙したときシャウキー民衆の問題を語りだす〉と言った。マカーマート形式により当時の社会を批判した書《スティハの夜Layālī Suṭīḥ》(1906)の著者として知られる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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