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オーストリア社会民主党左派の指導者。ウィーン大学で法律を学び,在学中,K.レンナー,M.アードラー等と親交を結ぶ。V.アードラーに師事し,1907年から機関紙誌《アルバイター・ツァイトゥング》《闘争》の編集に従事。第1次大戦中出征し,ロシアで捕虜となり,17年帰国。18年11月のV.アードラーの死後,19年7月まで共和国外相としてドイツへのオーストリアの併合に努力したが,サン・ジェルマン条約によって併合は禁止された。19年社会化委員会議長。20-34年まで社民党代議士。34年2月蜂起を指導し,チェコスロバキアのブリュンに亡命。〈革命的社会主義者〉グループを組織する。パリで死去。オーストリア・マルクス主義の代表的理論家である。
執筆者:酒井 晨史
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1882~1938
オーストリア・マルクス主義の指導的理論家。オーストリア社会民主労働者党左派の指導者。1918~19年オーストリア共和国外相としてドイツ‐オーストリア合邦の実現に努めた。34年のウィーン蜂起失敗後に亡命。
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… ヘーゲルが疎外という彼岸性を克服すべく提起したものは,(1)人間存在の共同性が社会意識によって疎外されるのではなく,自覚化されるような真の共同社会の実現,(2)宗教という疎外の極限形態の〈絶対知〉への止揚,(3)たんに義という本質(普遍)の支配ではなくて,〈ゆるし(和解)〉という,普遍と個の生きた媒介という内容であった。
[ヘーゲル左派における用法]
B.バウアーが〈自己疎外〉という用法を用いたとき,人間の本質は自己意識であり,神はその人間の疎外態であるという意味が明確になった。つまりヘーゲル解釈を宗教批判の方向にすすめたのである。…
…すると,人格性と不死は虚妄となってしまうと彼は考えた。右派の一人にB.バウアーがいた。彼は先輩格の牧師マールハイネケP.K.Marheinekeに委嘱されて,ヘーゲルの《宗教哲学講義》の第2版を編集していた。…
…
[マルクス主義とユダヤ人]
ユダヤ教徒解放をめぐる論議に触発されて《ユダヤ人問題によせて》を著したマルクスは〈ユダヤ教徒の社会的解放はユダヤ教からの社会の解放である〉という論理を提示し,やがてそこからプロレタリアートの解放こそが普遍的・人間的解放であるとの立場に移行することになる。そこでは,ヨーロッパ啓蒙思想に内在し,ヘーゲル左派のB.バウアーによって明示されたユダヤ教徒解放否定の論理,すなわちキリスト教より低い発展段階にあるユダヤ教徒はそのままではついに解放されえないし,解放されうるとすれば彼らのキリスト教徒への改宗を通じてであるという議論はなお完全に克服されるにはいたっていない。その結果,19世紀末から20世紀初頭のマルクス主義的社会主義運動は,資本主義体制への批判と社会改革の要求を掲げる反ユダヤ主義運動を〈自動的社会主義〉(エンゲルス)あるいは〈愚者の社会主義〉と嘲笑的に批判するにとどまり,資本主義の発展が貫徹するとともに同化が進み,これに応じて古くさい偏見に基づく反ユダヤ主義もまた消滅するであろうと楽天的な見方を捨てなかった。…
※「バウアー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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