デジタル大辞泉 「バス」の意味・読み・例文・類語
バス(〈ドイツ〉Bass)
㋐男声の最低音域。また、その声域の歌手。
㋑楽曲の最下声部。
㋒同一種の楽器の中で、最も低い音域のもの。「
2 「コントラバス」の略。
[類語]ベース・ソプラノ・アルト・テノール・メゾソプラノ・テナー・バリトン・ソプラニスタ・カストラート・カウンターテナー
バス(bus)
2 コンピューター内部で、各装置を結ぶ信号路。CPU内部の内部バス、CPUと外部の装置を結ぶ外部バスがある。
翻訳|bus
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
大量の人員を輸送することを目的とした乗合自動車。語源は乗合馬車を意味するオムニバスomnibusに由来する。道路交通法では,乗合自動車は,乗車定員11人以上の旅客運送用の普通自動車と規定しており,一般乗合バスと特定旅客バスに分けている。
蒸気動力の通称〈馬なし馬車〉と呼ばれた蒸気バスは1825年イギリスに登場し,ほぼ40年間にわたって馬車と競い合うが,65年の赤旗法によって姿を消していった。内燃機関を動力に用いたバスが出現したのは95年ドイツのネットフェンで,5馬力のガソリンエンジンを搭載した8人乗りのダイムラーベンツが使用された。日本最初のバスは広島市横川~可部町間14.5kmを運行した12人乗りで,1903年1月に開業したが馬車組合の反対によりその秋には廃業におい込まれている。同年,大阪では天王寺公園で開催された博覧会のために梅田~天王寺間に乗合バスが運転され,京都でも七条~祇園間に均一運賃5銭で運行された。東京では13年京王電気軌道が電車運転開始と同時に電車との連絡に乗合バスを開業した。本格的な市内バスの営業は19年の東京市街自動車によるものである。
バスの分類は,形態,用途,エンジン位置によるものが一般的であるが,より専門的なものとしてフレーム構造,構体構造による分類がある。形態による分類は図に示すようにふつう六つに分ける。ボンネット型バスは,エンジンをおおっているボンネットの後方に運転席が位置しているもので,初期のバスに採用されていたが,客室空間の利用効率が優れている箱型バスにとって代わられている。キャブオーバー型バスは,エンジン全体またはその大部分が運転席の下に入り込んでいるものをいう。2階バスはダブルデッカーdouble-deckerとも呼ばれ,路線バスとしてはロンドンをはじめイギリス連邦諸国で多く用いられている。観光用バスとしてはヨーロッパ諸国を中心に普及し,日本でも最近用いられるようになった。床を高くして乗客の視界向上や床下荷物室の拡大をはかり,さらに天井を高くして車内の解放感をもたせ,外観上の豪華さを強調している。
バスの車体構造は,路線バスの場合には乗降がしやすいように低床化や乗降口幅の拡大化,乗客の移動容易化がたいせつであるが,観光バスは高床化,窓の大型化に特徴がある。性能は,動力性能や運動性能など走る性能もさることながら,車内騒音,車外騒音,空気調和,居住性,乗降性などが重視される。
新しい機能をもつバスとしてはニーリングバス,ディマンドバス,デュアルモードバスなどがある。ニーリングバスは乗合バスの乗降容易化のために前ドア部のステップが15cm程度下がるようになっているバス,ディマンドバスは無線通信装置を備えて路線や運行スケジュールに自由度をもたせ乗客の呼出しに応じて所定地域の公共輸送にあたる乗合バス,デュアルモードバスは専用軌道内では無人運転,一般道路では人が運転して走るバスである。なお,レールバスは鉄道車両(分類上は気動車)であるが,動力に自動車用エンジンを使い,車体や内装にバス用部材を使っていることからこのような名まえがついている。最近では主として赤字ローカル線用として開発された軽量で経済的なレールバスが注目されている。
→自動車
執筆者:小口 泰平
先進諸国では1950年代から60年代を境にバス輸送量は減少に転ずるようになった。地方部では自家用車の普及と人口の減少が,また大都市では自家用車の普及と都市高速鉄道の整備がこれに寄与しており,今日では旅客輸送の大部分は,地方部では自家用車によって,また大都市では自家用車と都市高速鉄道によって担われている。とくに日本は都市高速鉄道の比重が高い。このようないわゆる〈バス離れ〉現象に対して,バス専用レーン(バスレーン)や優先信号などのバス優先措置や,バス接近表示システムなどの導入,自治体・国による補助金の交付がなされているが,効果はそれほどあがっていない。また,このような援助,補助の正当性についても議論がある。輸送量の減少は経営の悪化をもたらし,とくに過疎地域のバスと大都市公営バスでそれが著しい。後者については公営事業の低い生産性も大きく影響している。これに対して長距離の都市間バスは比較的好調であり,日本の場合も,高速道路の整備に伴い路線開設が進んでおり,とくに新幹線非併行区間での伸長が著しい。鉄道整備よりも道路整備が先に進められたアメリカや多くの発展途上国では,都市間輸送は早くからバスと航空によって大部分が担われている。
バス・サービスは輸送の形態によって乗合,貸切り・特定契約,自家用に大別できる。乗合輸送は不特定多数の旅客を旅客各人が個別に運賃を負担する形で輸送する形態で,定時定路線が一般的である。発展途上国の乗合輸送の中にはトラック改造車両やバン,小型乗用車を用いたものがあり,これらは運行頻度が高く,また客の求めに応じて若干のルート変更を行うなど至便であるため,通常のバスよりも高いシェアを占めている都市もある。先進諸国では電話予約や路上のコール・ボタンによって需要に対応した運行を行うディマンドバスが一部の地域で実用化されている。特殊な乗合バスとしては旅客と郵便物輸送を同時に行う郵便バスがヨーロッパには存在し,過疎地域の有力な交通手段となっている。貸切り・特定契約輸送は一つの旅客グループを1個の契約によって輸送する形態であり(日本では定期的なものを〈特定旅客輸送〉として貸切りと区別している),基本的にはハイヤーと同じ輸送形態である。スクールバスや工場の送迎バスにはバス事業者に依頼して貸切り・特定契約の形で行うものと,需要家が自身でバスを所有して行うもの(自家用バス)とがあり,日本では後者が多い。バス事業はこれらの輸送形態別に免許制がとられ,一定地域内の供給者の数が人為的に制限されているのが一般的であり,とくに日本はそれが厳格であるが,その正当性については議論がある。イギリスやアメリカでは免許制度の緩和ないしは撤廃が1970年代後半以降実施されてきている。
執筆者:中条 潮
ラテン語のbassus(低い)に由来する音楽用語。ベースともいう。15世紀半ばにソプラノ,アルト,テノール,バスによる4声作法が一般的となった際,定旋律を担うテーノル(テノール)に対して〈低い声部〉(コントラテーノル・バッススcontratenor bassus)の意で用いられたのが始まりである。ここから楽曲の最低声部をバスと呼ぶようになった。16世紀にいたってこの語は,〈基礎(の)〉の意のbaseやbasisと混同され(例えば1547年のグラレアヌスの理論書),そのため語源をギリシア語のbasis(基礎)とする説も生じた。調性の成立に伴ってバスは和音を支える役割を担うようになり,重要さを増す。その典型的な表れがバロック時代のゲネラルバス(通奏低音)である。また,男性の最も低い声種をいい,およその声域は〈ほ〉から〈〉である。楽器についていう場合には,同族楽器中,最も大きく最も低い音域をもつものを指す。例えばバス・クラリネット,バス・チューバなど。そのなかでもとくに,コントラバスの略称として用いられる。
執筆者:津上 智実
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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(星野力 筑波大学名誉教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本」パソコンで困ったときに開く本について 情報
…車両自体にエネルギー源と原動機を備え,レールによらずに主として路上を自由に運転走行できる車両をいい,路上を走行するものでもトロリーバスのように架線を用いる車両は含めないのがふつうである。ただしトレーラートラックやトレーラーバスのように牽引される車両は自動車に含めている。…
※「バス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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