バタイユ(Henry Bataille)(読み)ばたいゆ(英語表記)Henry Bataille

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

バタイユ(Henry Bataille)
ばたいゆ
Henry Bataille
(1872―1922)

フランスの劇作家ニームに生まれる。初め画家か詩人を志したが、友人との共作の戯曲『眠れる森の美女』(1894)が契機となり2、3の習作を経て、息子の友人と恋愛する母親の情欲母性愛との葛藤(かっとう)を描いた『ママン・コリブリ』Maman Colibri(1904)が出世作となる。ついで『結婚行進曲』Marche nuptiale(1905)でやはり皮相な恋愛に失敗し自殺する女性像を描き、『狂える処女』(1910)とあわせ三部作を完成した。しかし、第一次世界大戦直前の『蛾(が)』(1913)などに対し批評家から自然の詩味を欠く「腐った芝居」と極印を打たれ、三部作の最初の二作を代表作として、戦後まもなく没した。

[本庄桂輔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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