バックハウス

精選版 日本国語大辞典 「バックハウス」の意味・読み・例文・類語

バックハウス

(Wilhelm Backhaus ウィルヘルム━) ドイツ生まれのピアニスト。のちスイス帰化。一九〇〇年ロンドンでデビュー。すぐれた技巧と力強いタッチで「鍵盤獅子王」と呼ばれ、特にベートーベンブラームス演奏に長じた。(一八八四‐一九六九

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デジタル大辞泉 「バックハウス」の意味・読み・例文・類語

バックハウス(Wilhelm Backhaus)

[1884~1969]ドイツ生まれの、スイスのピアノ奏者。鍵盤の獅子王とよばれ、特にベートーベンの演奏で知られる。

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百科事典マイペディア 「バックハウス」の意味・わかりやすい解説

バックハウス

ドイツのピアニスト。生地のライプチヒ音楽院に学んだのち,フランクフルトでリストの高弟E.ダルベール〔1864-1932〕に師事。1900年に16歳でソリストとしてデビューし,翌年にはニキシュ指揮のライプチヒ・ゲバントハウス管弦楽団と共演。以後,1905年−1912年と1925年−1926年に教職に就いた以外は独奏活動に専念。1946年スイス国籍を取得。モーツァルト,ベートーベン,ドイツ・ロマン派を得意とし,ベームウィーン・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。強靭(きょうじん)さと繊細さをあわせもつスケールの大きな演奏から〈鍵盤(けんばん)の獅子(しし)王〉の異名をとった。1954年に来日。→ケンプフルニエ

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改訂新版 世界大百科事典 「バックハウス」の意味・わかりやすい解説

バックハウス
Wilhelm Backhaus
生没年:1884-1969

ドイツのピアノ奏者。初め生地ライプチヒでピアノを学んだが,のちフランクフルトに移って,リストに学んだ大ピアニストのダルベールEugen d'Albertに師事。演奏技術を磨くとともに,ベートーベンの作品解釈に関して有益な教えを受けた。1900年ロンドンでのデビュー演奏会が成功,翌年ニキシュ指揮のライプチヒ・ゲバントハウス管弦楽団協演。以後,ごく短期間教職に就いたのを除き,もっぱら独奏者としての活動に専念した。1954年来日。レパートリーはJ.S.バッハからブラームスに至るドイツ音楽に絞られており,それらの作品をしっかりした構成感をもってスケール大きく表現するのに独特の手腕を発揮した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バックハウス」の意味・わかりやすい解説

バックハウス
ばっくはうす
Wilhelm Backhaus
(1884―1969)

ドイツ生まれのスイスのピアノ奏者。生地ライプツィヒでレッケンドルフに、ついでフランクフルトに移って名手ダルベールに師事した。1900年ロンドンでデビュー、華々しい成功を収め、翌年ニキシュ指揮のゲバントハウス管弦楽団の独奏者に選ばれて故郷に錦(にしき)を飾った。以来、多忙な演奏活動に入る。ヒトラーが政権を握った33年スイスに移住、46年スイス国籍を取得。第二次世界大戦後も精力的に活動を続け、一時不調を伝えられたもののほどなく立ち直り、堅固な音楽造形力と真に巨匠的な演奏技巧を駆使するスケールの大きい芸風を築き上げた。54年(昭和29)来日。ドイツ音楽、とりわけベートーベンとブラームスで高い境地を示した。

[岩井宏之]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バックハウス」の意味・わかりやすい解説

バックハウス
Backhaus, Wilhelm

[生]1884.3.26. ライプチヒ
[没]1969.7.5. フィラッハ
ドイツ生れのピアニスト。8歳でデビュー,ライプチヒ音楽院に学び,1905年パリでルビンシテイン賞を受賞。同年イギリスのマンチェスター王立音楽大学教授となり,12~14年アメリカに演奏旅行。第2次世界大戦終結とともにスイスのルガーノ地方に移り,46年スイスに帰化。ベートーベンを得意とし,スケールの大きな演奏で「鍵盤上の獅子」と呼ばれた。 54年来日。

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