バリー(Sir Charles Barry)(読み)ばりー(英語表記)Sir Charles Barry

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

バリー(Sir Charles Barry)
ばりー
Sir Charles Barry
(1795―1860)

イギリスの建築家。ロンドンに生まれ、同地に没。1817年から3年間にわたってギリシア、イタリア、中近東を旅行したのち、ブライトンのセント・ピーター教会堂(1817~20)をゴシック様式で建て、続いてマンチェスターの王立美術協会(1824~35)を古典主義様式で設計した。しかし、彼本来の嗜好(しこう)は、むしろイタリア・ルネサンス様式にあり、ロンドンの旅行者クラブ(1829~31)やリフォーム・クラブ(1837~41)はこの様式で建てられている。彼はロンドンの個人的な邸宅も手がけたが、なかでもブリッジウォーター・ハウス(1847)がとりわけ優れている。34年に焼失した国会議事堂の再建設計競技(1836)では、ピュージンの協力を得てみごと一等に入選。これが彼の代表作となった(1836~60)。しかし真の設計者をめぐって論議が沸き、現在では全体の構想バリーのもの、内装や外観にみられるゴシック様式の細部はピュージンのものと考えられている。

[谷田博行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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