バル(薬)(読み)ばる(英語表記)BAL

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バル(薬)」の意味・わかりやすい解説

バル(薬)
ばる
BAL

British anti-lewisiteの略称で、ジメルカプロールの商品名。第一次世界大戦中に、毒ガスであるルイサイト解毒を目的にイギリスで開発された重金属拮抗(きっこう)剤である。一アンプル中に100ミリグラムを含有する油性注射剤で、ヒ素水銀、鉛、銅、金、ビスマスクロムアンチモン中毒の際の解毒剤として筋肉注射で用いられる。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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