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バルガンシクロビル塩酸塩 ばるがんしくろびるえんさんえん

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知恵蔵2015の解説

バルガンシクロビル塩酸塩

HIV感染症(エイズ)患者は免疫機能の低下により、通常では感染しない様々な感染症に罹患しやすい(日和見感染)。その代表例に、サイトメガロウイルス網膜炎(CMV網膜炎)がある。失明に至る進行性の病気で、免疫機能の回復が見込めない場合は終生の治療が必要。バルガンシクロビル(商品名「バリキサ」)は、CMV感染症に対する治療薬である。従来CMV網膜炎に対する治療薬としてはガンシクロビルが用いられてきたが、内服時の吸収率が悪いなどの欠点があった。バルガンシクロビルは、内服すると体内に吸収された後にガンシクロビルに変換されるため、吸収率が大幅に改善。内服で、ガンシクロビルの注射と同等の治療効果が得られる。重大な副作用に、骨髄機能の低下による血液障害(血球減少など)が知られ、服用中は定期的な血液検査が必須である。

(澤田康文 東京大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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