バンカース・トラスト(読み)ばんかーすとらすと(英語表記)Bankers Trust New York Corp.

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バンカース・トラスト
ばんかーすとらすと
Bankers Trust New York Corp.

アメリカの大手金融サービス会社、銀行持株会社。
 歴史的には1903年に商業銀行であるファースト・ナショナル・バンク、ナショナル・パーク・バンク、レザー・マニュファクチャラーズ・ナショナル・バンク、リバティー・ナショナル・バンク、チェース・ナショナル・バンクが協力して創設した信託銀行がその発祥である。1965年に銀行持株会社として登録された。同社は、投資銀行業、リスク管理、取引・販売、投資管理、データ処理サービスの5分野をカバーする。投資銀行業は、株式・社債の引受け、販売、取引、企業吸収合併へのアドバイスなどを行う。リスク管理部門は、金利、通貨、株式、商品、金融デリバティブ(派生商品)の管理を行い、取引・販売部門が実際にそれらの取引を実施する。投資管理部門は、年金基金や企業・機関投資家向けの投資管理を行う。データ処理サービスは、現金管理・保管サービスなどの信用サービスを行う。
 1990年代に入り、アメリカ経済の好調な動きにもかかわらず収益は低迷し、利息収入は1993年の13億1400万ドルから1996年の9億6600万ドルへと落ち込んだ。アメリカでもっとも古い投資銀行の一つであるアレックス・ブラウンAlex Brown Inc.の1997年の買収は、同社の投資銀行部門の強化を目ざしたものであった。合併によって設立されたバンカース・トラスト・アレックス・ブラウンは、アメリカ全州(コロンビア特別区、プエルト・リコを含む)において証券取引・売買のブローカー、ディーラーとして登録され、ニューヨーク証券取引所の会員でもあり、顧客に対する全般的な金融・投資顧問業務が可能となった。1997年の総資産は1401億0200万ドル、売上高は62億5000万ドル、純利益は8億6600万ドルであった。
 1998年、ドイツ最大のドイツ銀行が投資銀行業強化のためバンカース・トラストの買収計画を発表し、翌1999年6月には買収・合併が完了した。この合併により同社はドイツ銀行のグループ傘下となり、ドイツ銀行は総資産額で世界最大級の銀行となった。[萩原伸次郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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