日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
バーク(Robert O'Hara Burke)
ばーく
Robert O'Hara Burke
(1821―1861)
オーストラリアの探検家。アイルランド生まれ。1853年オーストラリアに移住。ビクトリア警察警部であったが、60年メルボルン市民が企画した初の大陸縦断探検隊を率い、総勢18名、ラクダ25頭など大規模な陣容で同市を8月出発。途中クーパーズ・クリークに基地設営後、副隊長ウィリアム・ウィルズ(1834―61。測量士)ほか2名とともに北上、61年2月カーペンタリア湾近くに達したが、密林、沼沢に阻まれ海に抜けられなかった。バークらの帰りが遅れたため、留守隊は、彼らが帰着する7時間前に基地を引き払っており、キングという隊員以外は死亡した。バークは探検家の資質がなく、ウィルズの残した日記以外、隊の科学的成果はゼロであった。ただその規模と悲劇性から、この国ではもっとも有名な探検である。
[越智道雄]