精選版 日本国語大辞典 「バージェス」の意味・読み・例文・類語
バージェス
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アメリカの社会学者。R.E.パークと並びシカゴ学派の人間生態学・都市社会学を指導するとともに,家族の分野にも優れた業績を残している。人間生態学,都市社会学の分野においては,パークとの共著《社会学なる科学序説Introduction to the Science of Sociology》(1921)など基本的見地の確立にも寄与しているが,彼のおもな貢献はむしろ都市地域構造に関する同心円説concentric-zone theoryを通じて,シカゴ学派の実証研究を指導した点にある。彼によると,都市地域は都市の発展につれて中央商業地域を中心とし外周を郊外高級住宅地帯とする五つの同心円的構造をなして膨張していく。同心円説については多くの批判がなされているが,マウラー,ショーらは同心円地帯と家族類型,社会解体など社会現象が対応していることを明らかにし,これを支持している。他方,家族についてバージェスはH.J.ロックと共著の《家族The Family》(1945)において,現代のアメリカ家族が古い村落的な制度的形態から都市の生活様式に適応した民主的,友愛型の家族へと移行しつつあることを説いた。
執筆者:倉沢 進
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…その外側に上野,浅草,池袋,新宿,渋谷,五反田などの副都心がみられる。 都市内部の機能地域の分化について,E.W.バージェスの同心円構造仮説が1925年に提出され,その変形の扇形理論が33年にホイトH.Hoytによって示されている(図)。バージェスの同心円構造の仮説は,都市社会が同心円状に拡大し,住み分けているというものであるが,都心地区と住宅地区との間に漸移地帯zone in transitionの存在を考え,そこに軽工業と移民集落(多くは貧民窟地区slum area)と都心機能のあふれ出しとの混在を指摘した。…
…都市生活の実態をふまえて,都市,都市の地域・地区,都市圏の現状,動態,変貌を解明しようとする特殊社会学の一分野。都市社会学の研究は,1920年代にアメリカで当初は人間生態学の観点から行われ,C.ブースの《ロンドン民衆の生活と労働》(全17巻,1902‐03),トマスWilliam I.Thomas(1863‐1947)とF.W.ズナニエツキーの共著《ヨーロッパおよびアメリカにおけるポーランド農民》(1918‐20),シカゴ学派のR.E.パーク,E.W.バージェス,R.D.マッケンジーによる共著《都市》(1925)が注目される。都市研究の観点と方向とを理論的に明らかにした《都市》は,その後の都市社会学研究の出発点となった。…
※「バージェス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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