パキスタンのタリバン運動(読み)ぱきすたんのたりばんうんどう(英語表記)Tehrik-e Taliban Pakistan

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パキスタンのタリバン運動
ぱきすたんのたりばんうんどう
Tehrik-e Taliban Pakistan
Tehrik-I Taliban Pakistan

パキスタンを拠点とするイスラム過激派。イスラム原理主義を厳格に奉ずるタリバン支持勢力の連合体で、イスラム法(シャリーア)による統治やパキスタン政府・軍の打倒を目ざす武装集団である。イスラム教スンニー派に属する。現地ウルドゥー語での名称は「パキスタンの学生運動」を意味する。略称のTTPのほか、日本では「パキスタンのタリバン」「パキスタンのタリバーン運動」などと表記されることもある。2007年に発足。日本の公安調査庁によると、武装勢力の人数は3万~3万5000人と推定されている。パキスタン政府・軍の関連施設、政党関係者、教育関係者、アメリカや同国を支援する諸国の施設を攻撃対象とし、テロ活動を繰り返している。2010年にアメリカの国務長官がTTPを外国テロ組織に指定し、2011年には国際連合安全保障理事会アルカイダ制裁委員会が制裁対象に指定した。女性の社会進出や女子教育を敵視し、2012年には、後にノーベル平和賞を受賞した女子学生マララ・ユスフザイを銃撃した。隣国アフガニスタンの反政府勢力タリバンや国際テロ組織アルカイダとの関係が深く、2014年には一部組織が中東の過激派組織「イスラミック・ステート(IS、イスラム国)」への参加を表明した。パキスタン政府・軍はTTPとの対話路線を転換し、活動拠点がある同国北西部を中心に掃討作戦を続けている。しかし2014年にはTTPが学校を襲撃して140人以上の児童・生徒を殺害するなど、パキスタン政府・軍との紛争は報復が報復をよぶ泥沼化の様相を呈している。

[編集部 2015年10月20日]

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