原田氏(読み)はらだうじ

改訂新版 世界大百科事典 「原田氏」の意味・わかりやすい解説

原田氏 (はらだうじ)

古代,中世の北九州の豪族。本姓大蔵氏。藤原純友の追捕使大蔵春実の裔とするが確証はない。11世紀,刀伊の入寇に活躍した大宰大監種材が府官大蔵氏の初見。以後,大監を世襲し,12世紀中ごろ,種平は検非違使執行を兼ね,武力で所領を拡大し,一族拒捍使(きよかんし)に任じられる。子種直は筑前国の怡土郡原田荘,那珂郡岩戸を本拠に平家方人となり,1181年(養和1)大宰権少弐に任命され,北九州随一の府官として治承・寿永の内乱に活躍した。鎌倉期には筑前守護少弐氏の管轄下に懼伏(くふく)していたが,三原,波多江氏等の庶子が成長。南北朝内乱期に失地回復を図り少弐氏に敵対,南軍で活躍する種長などが台頭した。室町期には北九州に進出した大内氏と結び周辺の在地領主を麾下(きか)に入れて有力国人に成長,大友氏勢力と対立した。戦国期も大内氏,毛利氏と結び,了栄のとき勢力は近隣に広がったが,信種の代に豊臣秀吉九州征伐知行を没収され,浪人となる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の原田氏の言及

【認識人類学】より

…次に,差異化と包摂関係をもつが,この包摂関係はたとえば〈鼻は顔の一部〉のように,下位範疇が上位範疇に対して〈~の一部〉という関係をもつパルトノミーpartonomyがある。さらに,差異化による分類だが範疇の階層化が生じない(たとえば色彩分類)パラダイムparadigmなどがある。 民俗分類folk classificationの語は,分類形式と分類対象の双方を指す幅広い用語であるが,このほか,枝分れ分類tree,検索表keyなど分類方法に関する概念,あるいは原意と拡大意,範疇の境界,標識と中和,含意関係など,認識人類学は分類と意味づけに関する多くの概念を整備し,方法の精緻化を進めてきた。…

【クーン】より

…ハーバード大学で物理学の学位をとった後科学史に転じ,カリフォルニア大学(バークリー),プリンストン大学を経てマサチューセッツ工科大学(MIT)教授。彼の名を有名にしたのはパラダイム概念を駆使した1962年の《科学革命の構造》で,そこで彼はパラダイムを〈広く人々に受け入れられている業績で,一定の期間,科学者に,自然に対する問い方と答え方の手本を与えるもの〉と定義した。この言葉は1960年代以降の学問の問い直しが迫られる知的状況のなかで,広く学問論や学術体制論の基本を問うためのキーワードとして受け入れられただけでなく,政治路線や体制を意味するまでに拡張解釈して用いられるようになり,学界,思想界に大きな影響を及ぼした。…

【社会科学】より

…ヘーゲルの《法哲学綱要》は,ロックの《統治二論》やスミスの《道徳感情論》が実証主義社会科学の系譜において占める位置を,理念主義社会科学の系譜において占めるものと解釈することができよう。
【社会科学の学説区分と〈パラダイム〉】
 今日,個別社会科学として数えられる学科目の数は非常に多いが,それらのなかで基礎的学問分野の位置を占めるものとして,ここでは経済学,政治学,社会学の三つを考えることにする。法律学を基礎的分野に含めない理由は,法律学の中心をなす法解釈学が経験科学とは性質を異にする技術学だと考えられることによる。…

【認識人類学】より

…次に,差異化と包摂関係をもつが,この包摂関係はたとえば〈鼻は顔の一部〉のように,下位範疇が上位範疇に対して〈~の一部〉という関係をもつパルトノミーpartonomyがある。さらに,差異化による分類だが範疇の階層化が生じない(たとえば色彩分類)パラダイムparadigmなどがある。 民俗分類folk classificationの語は,分類形式と分類対象の双方を指す幅広い用語であるが,このほか,枝分れ分類tree,検索表keyなど分類方法に関する概念,あるいは原意と拡大意,範疇の境界,標識と中和,含意関係など,認識人類学は分類と意味づけに関する多くの概念を整備し,方法の精緻化を進めてきた。…

※「原田氏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android