パリーゼ(読み)ぱりーぜ(英語表記)Goffredo Parise

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パリーゼ」の意味・わかりやすい解説

パリーゼ
ぱりーぜ
Goffredo Parise
(1929―1986)

イタリアの小説家。ベネト地方出身。戦火悲惨少年幻想に託して描いた処女作『死んだ子とほうき星』(1951)ののち、ネオレアリズモ風の『美男司祭』(1954)などで好評を博した。人間疎外を語る『企業主』(1965)、対話劇風の『自然の絶対物』(1967/邦訳名『彼女と彼』)、怪奇な風景の短編集『ウィーン火葬場』(1969)を経て、同『読本上下(1972、82)を発表。中国、日本その他の旅行記がある。

[米川良夫]

『千種堅訳『彼女と彼』(角川文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パリーゼ」の意味・わかりやすい解説

パリーゼ
Parise, Goffredo

[生]1929. ビチェンツァ
[没]1986.8.31.
イタリアの小説家。幻想的な作品を得意とし,その底には小市民社会の偏見に対する告発と順応主義への皮肉が読取れる。主著『死んだ少年と彗星』 Il ragazzo morto e le comete (1951) ,『美男司祭』 Il prete bello (53) ,『主人』 Il padrone (65) ,『自然の絶対者』L'assoluto naturale (67) ,『音綴表第1』 Sillabario n. 1 (72) 。

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