パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観(読み)パレスチナ オリーブとワインのち エルサレムなんぶバティールのぶんかてきけいかん

世界遺産詳解 の解説

パレスチナ オリーブとワインのち エルサレムなんぶバティールのぶんかてきけいかん【パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観】

2014年に登録された世界遺産(文化遺産)。リストへの登録と同時に危機遺産にも記載された。イスラエルの分離壁建設計画による文化的景観の破壊を、緊急登録の理由として申請が行われていた。バティールはエルサレムの南西7km、ヨルダン川西岸地区の中央高原に位置する、古代からエルサレムの衛星都市として発展したなだらかな丘陵地帯に広がる村。バティールの丘からは、「ワジ」と呼ばれる水無し川(涸れ谷)と石でできた特徴的な段丘の畑の景観を見ることができ、約2000年前につくられた広大な段々畑では、オリーブブドウの畑のほか、灌漑を行ってアーモンド穀物、野菜などを生産する畑がある。総延長554kmに及ぶ石を積み上げて造られた壁や、地下水脈による伝統的な灌漑システムも残るほか、要塞群、ローマ人の墓群、考古学遺跡群、石の家屋群などの構成資産からなり、文化的景観を構成している。◇英名はPalestine: Land of Olives and Vines - Cultural Landscape of Southern Jerusalem, Battir

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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