パーフェクト リバティー教団(読み)ぱーふぇくとりばてぃーきょうだん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

パーフェクト リバティー教団
ぱーふぇくとりばてぃーきょうだん

第二次世界大戦前の「ひとのみち教団」第2代教祖御木徳近(みきとくちか)が1946年(昭和21)9月29日に立教(当時は「PL教団」と称する)した新宗教。英語ではPerfect Libertyと表記し、略称PL(ピーエル)。「ひとのみち教団」は1924年(大正13)徳近の父御木徳一(とくはる)が教派神道(しんとう)の一派に所属して教会を設立し、「病気は〈みしらせ〉(神の警告)であり、〈みおしえ〉を守れば解決する」と唱えた。また「〈おふりかえ〉の神事によって現実の苦痛を教祖の身にひきとって頂ける」という信仰を説いていたが、1937年(昭和12)軍部弾圧によって解散。第二次世界大戦後、教団を再建するにあたって、徳近は初代教祖の説いた「みしらせ―みおしえの真理」を深く究め、「人生は芸術である」という悟りを開き、「PL処世訓21箇条」を表した。人間が生きる意義は自己の個性を人世のために表し(自己表現)、自分独自の人生芸術を自由に行うところにある。現実生活のうえに現われる病気、事故、災難などの苦痛は単なる苦痛ではなく、自己表現の偏向に対する警告であり、その内容は「みおしえ」によって教えていただける。「みおしえ」によって教えられた自分の心癖(こころぐせ)(物の見方、考え方の偏向)を是正し、客観境地にたって自己表現をまっとうするところに幸福がある、と説いている。またPLにおいては「代々教祖が現れ、現存の教祖によって教えが説かれる」といっている。1974年現在のフルネームに改称。1983年2月2日、第2代教祖の帰幽(きゆう)に伴い、第3代教祖御木貴日止(たかひと)(1957―2020)が「おしえおや」(教祖の地位)を継承した。教団大本庁は大阪府富田林(とんだばやし)市にあり、PL病院、PL学園などの付属施設を設置している。教会数238、布教所数12、教師数584、信者数92万2367(『宗教年鑑』平成26年版)。

[川島通資]

『御木徳近著『私の履歴書』(1979・日本経済新聞社)』『パーフェクト リバティー教団文教部編『PL信仰生活心得解説』(1979・芸術生活社)』『川島通資著『PL処世訓入門』(1984・芸術生活社)』『パーフェクト リバティー教団文教部編『人生是芸術』(2000・芸術生活社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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