ヒューズ(Henry Stuart Hughes)(読み)ひゅーず(英語表記)Henry Stuart Hughes

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヒューズ(Henry Stuart Hughes)
ひゅーず
Henry Stuart Hughes
(1916―1999)

アメリカの歴史学者、思想史家。ニューヨークに生まれる。ハーバード大学で学位取得後、第二次世界大戦前にヨーロッパに留学した。戦争中はイタリア、ドイツなどで情報将校として活躍し、戦後は国務省ヨーロッパ研究部門の部長を務めた。1948年ハーバード大学助教授、1955年スタンフォード大学教授、1957年ハーバード大学歴史学教授、1975年カリフォルニア大学サン・ディエゴ校歴史学教授などを歴任した。

 ヨーロッパ史、アメリカ史関係の多数の論著があるが、『意識社会Consciousness and Society(1958)、『ふさがれた道』The Obstructed Path(1968)、『大変貌(へんぼう)』The Sea Change(1975)という20世紀ヨーロッパ社会思想史研究の三部作が彼の代表作と目される。1890年から1930年に至る社会理論の知的革新の試みを扱った第一作のあと、第二作では1930年以降1960年に至るフランスの社会思想、第三作では同年代の亡命による知的変貌を描いて、現代ヨーロッパ思想史のみごとなパースペクティブ提示に成功した。

生松敬三 2018年10月19日]

『生松敬三・荒川幾男訳『意識と社会――ヨーロッパ社会思想1890―1930』新装版(1999・みすず書房)』『生松敬三・荒川幾男訳『ふさがれた道――失意の時代のフランス社会思想1930―1960』新装版(1999・みすず書房)』『生松敬三・荒川幾男訳『大変貌――社会思想の大移動1930―1965』新装版(1999・みすず書房)』

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