ヒューズ(Langston Hughes)(読み)ひゅーず(英語表記)Langston Hughes

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヒューズ(Langston Hughes)
ひゅーず
Langston Hughes
(1902―1967)

アメリカの黒人詩人、小説家。ミズーリ州出身。コロンビア大学中退後、ホテルのボーイ水夫など雑多な職を転々としながら詩作を続け、やがてV・リンゼーカールバン・ベクテンらの助力もあって詩壇にデビューし、1920年代のいわゆる「ハーレム・ルネサンス」の中心的存在として活躍した。黒人大衆との連帯感のなかで黒人意識の高揚と黒人生活の哀歓を、伝統にとらわれない自由詩型でみごとに歌い上げ、アメリカ黒人が生んだブルースの気分を芸術にまで高めた。詩集は『もの憂いブルース』(1926)以下、軽妙なタッチの『黒人街(ハーレム)のシェークスピア』(1942)、叙情詩集驚異野原』(1947)など。ほかに長編小説『笑いなきにあらず』(1930)、短編集、戯曲、2冊の自伝などがある。

[齊藤忠利]

『齊藤忠利訳『驚異の野原』(1977・国文社)』『木島始編訳『黒人芸術家の立場』(1977・創樹社)』『木島始訳『ラングストン・ヒューズ詩集』(1969・思潮社)』

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