ビエラ彗星(読み)ビエラすいせい(英語表記)Comet Biela

改訂新版 世界大百科事典 「ビエラ彗星」の意味・わかりやすい解説

ビエラ彗星 (ビエラすいせい)
Comet Biela

1826年にビエラWilhelm von Biela(1782-1856)が発見したすい星。周期約6.6年で地球に接近する軌道をもち,1772年,1806年に出現したすい星と同じであることがわかった。1832年,46年にも現れ,46年にはすい星の核が二つに分裂するのが観測され,52年には二つの小すい星がならんで運行したが,その後はまったく観測されない。72年11月27日,ヨーロッパで大流星雨が見られ,85年11月27日には1時間当り75000個もの大流星雨が出現した。この流星雨はアンドロメダ座から放射し,軌道を計算するとビエラすい星のものと同じであった。すい星が崩壊して流星群になるよい実例である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビエラ彗星」の意味・わかりやすい解説

ビエラ彗星
ビエラすいせい
Biela's Comet

1772年オーストリアの W.ビエラにより発見された彗星。周期 6.70年の木星族彗星としてその後数回出現したが,1846年の出現時に2つに分裂し,2個の彗星が生れ,次の近日点通過時の 52年には2つの彗星が少し異なる軌道上を動いているのが観測されたが以後見つかっていない。しかし 72年や 85年の予定された出現時に地球がビエラ彗星の軌道を通過したとき,大流星雨が見られた。それらは彗星の軌道上を動いている彗星の断片によるものと考えられ,現在アンドロメダ座流星群と呼ばれている。

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