ビスフォスフォネート製剤(読み)ビスフォスフォネートセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

ビスフォスフォネート製剤

製品名
《アレンドロン酸ナトリウム水和物製剤》
アレンドロン酸(科研製薬、共和薬品工業、沢井製薬、三和化学研究所、シオノケミカル、大興製薬、辰巳化学、武田テバファーマ、東和薬品、日本ケミファ、日本ジェネリック、日医工、ファイザー、富士製薬工業、マイラン製薬、陽進堂、リョートーファイン)
フォサマック(MSD
ボナロン(帝人ファーマ)
ボナロン経口ゼリー(帝人ファーマ)
《エチドロン酸二ナトリウム製剤》
ダイドロネル(大日本住友製薬)
《リセドロン酸ナトリウム水和物製剤》
アクトネル(EAファーマ、エーザイ
ベネット(武田薬品工業)
リセドロン酸Na(科研製薬、杏林製薬、キョーリンリメディオ、沢井製薬、サンド、シオノケミカル、全星薬品工業、全星薬品、大興製薬、武田テバファーマ、武田テバ薬品、高田製薬、東和薬品、日医工、ニプロESファーマ、日新製薬、ニプロ、日本ジェネリック、ファイザー、富士製薬工業、富士フイルムファーマ、Meiji Seika ファルマ、祐徳薬品工業、陽進堂)
リセドロン酸ナトリウム(共和薬品工業、日本ケミファ、日本薬品工業)
《ミノドロン酸水和物製剤》
ボノテオ(アステラス製薬)
リカルボン(小野薬品工業
《イバンドロン酸ナトリウム水和物製剤》
ボンビバ(大正ファーマ、中外製薬)

 骨吸収抑制作用によって腰椎ようつい骨密度を増加させるので、骨粗鬆症こつそしょうしょうの治療に用いられます。ミノドロン酸水和物製剤は、骨粗鬆症に用いる薬で、ビスホスホネート系の薬の中でも強力な骨吸収抑制作用をもつとされ、低用量・最小錠となっています。


 エチドロン酸二ナトリウム製剤は、脊髄せきずい損傷後や股関節こかんせつ形成手術後の初期進行期の骨の発育異常の抑制骨パジェット病の治療にも用いられます。


 リセドロン酸ナトリウム水和物製剤(後発品を除く17.5mg錠)は、骨パジェット病の治療にも用いられます。


発疹ほっしんなどの過敏症状が現れることがあります。こうした症状が現れたときは服用を止め、すぐ医師に報告してください。


②上部消化管障害、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、外耳道骨壊死、肝機能障害、黄疸おうだん、大腿骨転子下および近位大腿骨骨幹部の非定型骨折、さらにアレンドロン酸ナトリウム水和物製剤では、食道・国腔内障害、低カルシウム血症、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死えし症、エチドロン酸二ナトリウム製剤では、汎血球減少症イバンドロン酸ナトリウム水和物製剤では、アナフィラキシーショックアナフィラキシー反応がおこることがあります。このような症状がおこったときは、使用を中止して医師に相談してください。


 そのほか、リセドロン酸ナトリウム水和物製剤では、胃部不快感、悪心、尿潜血、筋・骨格痛、めまいミノドロン酸水和物製剤では、胃・腹部不快感、腹痛胃炎、血中カルシウム減少などが現れることがあります。イバンドロン酸ナトリウム水和物製剤では、下痢、頭痛、背部痛、倦怠感などをおこすことがあり、また服用後3日以内に、吐き気嘔吐、筋・骨格痛、倦怠感、発熱などが現れることがあります。


 このような症状がおこったときは、医師に相談してください。


錠剤、経口ゼリーです。1日の使用回数・使用時間、1回の使用量などについては医師・薬剤師指示を守り、かってな判断で増量・減量したり、中止しないでください。


 エチドロン酸二ナトリウム製剤では、薬の吸収をよくするため、服用の前後2時間は食物をとらないようにしてください。


 アレンドロン酸ナトリウム水和物製剤リセドロン酸ナトリウム水和物製剤ミノドロン酸水和物製剤では、1日1回または週1回、起床時の服用で、服用後少なくとも30分間は横にならず、水以外の飲食やほかの薬の服用は避けてください。嚥下困難、食道炎、胃・十二指腸炎、または潰瘍といった上部消化器障害のある人は、医師に相談してから用いてください。


 イバンドロン酸ナトリウム水和物製剤では、1か月に1回、起床時の服用で、服用後少なくとも60分間は横にならず、水以外の飲食やほかの薬の服用は避けてください。


 また、十分な水(コップ1杯以上の水)で服用してください。


②問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無などを医師に報告してください。


 これらの薬で過敏症状をおこしたことのある人、妊婦または現在妊娠している可能性のある人、低カルシウム血症のある人、エチドロン酸二ナトリウム製剤では小児、重い腎障害のある人、骨軟化症のある人、アレンドロン酸ナトリウム水和物製剤ミノドロン酸水和物製剤リセドロン酸ナトリウム水和物製剤では、食道狭窄きょうさくや食道アカラシア、消化器障害、30分間以上体を起こしていることができない人などには使用できません。また、イバンドロン酸ナトリウム水和物製剤では、食道狭窄や食道アカラシア、消化器障害、立位・座位を60分以上保てない人は使用できません。あらかじめその旨を医師に報告してください。


③これらの薬を使用中に、ほかの薬を使用する必要が生じたときには、前もって必ず医師に相談してください。


 水以外の飲料・食物(牛乳、乳製品)などは決められた時間まで摂取しないでください。とくに、制酸剤やミネラル入りビタミン剤などのカルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムを含む薬との併用には注意してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android