日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ビューロー(Hans von Bülow)
びゅーろー
Hans von Bülow
(1830―1894)
ドイツの指揮者、ピアノ奏者。ドレスデンに生まれ、音楽と法律を学ぶ。1850年ワーグナーの『ローエングリン』初演に接して感激、ワーグナーに師事。同年指揮者としてデビュー。53年からはピアノ奏者としても活動を始め、57年リストの娘コジマと結婚。64年バイエルン王室歌劇場指揮者となり、『トリスタンとイゾルデ』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を初演、ワーグナーの作品の紹介と普及に貢献。69年コジマと離婚。彼女のワーグナーとの再婚を機にビューローはワーグナーから離れ、ピアノ奏者として欧米各地に演奏旅行、名声を博した。80~85年マイニンゲン宮廷楽長、87~93年ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団初代常任指揮者。ワーグナーから離れたのちは、ブラームスやチャイコフスキーの作品の紹介に力を入れた。
[岩井宏之]
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