ビヨン(Jacques Villon)(読み)びよん(英語表記)Jacques Villon

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ビヨン(Jacques Villon)
びよん
Jacques Villon
(1875―1963)

フランスの画家。ウール県ダンビルに生まれる。本名ガストン・デュシャン。マルセル・デュシャンの兄。1894年パリに出てフェルナン・コルモンの画塾で学ぶ。スタンランロートレックの影響で新聞・雑誌に風刺的戯画を寄稿して生計をたてる。またキャバレーのポスターや版画も制作。サロン・ドートンヌには設立当初から出品。1911年分析的キュビスムに加わり、数学的比率に基づく新しい画風を展開する。12年にはボエシー画廊でセクシオン・ドール(黄金分割)展を開催。19年から29年の間は限られた色彩事物の本質に迫る抽象画を、30年には光を意識した抽象画、50年ころにはさめた色彩を使い、新たな形式の抽象画を展開した。ピュトーで没。

[大森達次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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