ブラジル近代の代表的作曲家。父にチェロを学ぶ。18~25歳の頃,ブラジル中を旅し,各地の民俗音楽に接したことが,後に,西洋音楽とブラジル音楽の融合を図るきっかけとなる。1915年以降,自作演奏会を定期的に開き,少しずつ才能が認められ,23年援助を受けて渡欧。パリの芸術家と交わり,新たな刺激を受ける。30年にリオ・デ・ジャネイロに帰ってからは,国立音楽院(1942),音楽アカデミー(1945)を設立し,指揮者としても活躍した。また彼の国民主義的傾向は,ショーロやギターの作品,《ブラジル風のバッハBachianas brasileiras》と題された管弦楽曲,ピアノ曲,合唱曲,室内楽曲などの連作(1930-45)に顕著に表れている。
執筆者:細川 周平
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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