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ビルトイン・スタビライザー built‐in stabilizer

世界大百科事典 第2版の解説

ビルトイン・スタビライザー【built‐in stabilizer】

ビルトイン・スタビライザーとは,直訳すれば組み込まれた自動安定化装置ということであり,経済に制度的に組み込まれた要因によって経済全体が安定化されることを意味している。まれに自動安定装置と訳される。たとえば景気の先行きが悲観的で民間投資が落ち込んだ場合,国民所得は減少するが,税収入(所得税,法人税など)もそれが所得(企業の所得も含めて)に依存するため自動的に減って,消費の減少をさほど大きくしないというビルトイン・スタビライザーが働き,国民所得の減少の程度が少なくてすむ。

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世界大百科事典内のビルトイン・スタビライザーの言及

【安定化政策】より

…安定化政策を広くとるときには,政府がその裁量にもとづいてとる政策(たとえば減税とか公定歩合操作)と経済システムに組み込まれている安定化要因を活用することをも含んでいる。後者はビルトイン・スタビライザーと呼ばれている。70年代以降,安定化政策に対して,それが微調整(ファイン・チューニング)として行われることは,政策のおくれなどからかえって経済を不安定化させるとの見方が出され,裁量的政策に対する批判が強まっている。…

【財政学】より

…財政の第3の機能は経済の安定・成長を達成し維持するよう調整するということである。これはフィスカル・ポリシーの理論の説くとおりであるが,加えて財政収支それ自体が経済変動を自動的に安定化するというビルトイン・スタビライザー(景気の自動安定化装置)が新概念として学界に認められた。財政の長期的側面では,1950年代後半にあらわれた新古典派成長理論は,資本と労働の代替を技術的に認めることにより,資本の完全利用と労働の完全雇用が保証されるとしたため,財政の強力な役割は想定されていない。…

【自然増収】より

…これを自然増収と呼び,制度改正に伴う税収の増加と区別している。これは実質的な経済成長だけでなくインフレーションによっても生じるわけであり,この面からは経済の自動的安定化(ビルトイン・スタビライザー)の効果があるとされている。自然増収による税収の増加率を名目国民総生産の増加率(名目経済成長率)で割ったものは,税収のGNP弾性値と呼ばれている。…

【租税】より

…また所得税や法人税のように税収の所得弾力性が高い租税で構成される現代の税制は,景気変動の変動幅を自然に小さくするような自動的安定化効果をもつようになった。これに注目し,自動安定装置(ビルトイン・スタビライザー)としての税制を経済安定化のための手段として利用することもまれではなくなった。また短期的な景気対策とは別に,長期的な経済成長のための租税政策も,先進諸国で広く採用されるようになった。…

※「ビルトイン・スタビライザー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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