日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ビール(Gabriel Biel)
びーる
Gabriel Biel
(1410ころ―1495)
ドイツのスコラ神学者、哲学者。ハイデルベルク、エルフルトなどで学び、ウルアハ、アインジーデルなどの修道院長を歴任。チュービンゲン大学の創設にかかわり、1484年以降はその教授活動を通じて同大学に名声をもたらした。彼はオッカム学派の唯名(ゆいめい)論者である。未完の主著『命題集注解要録』Epithoma pariter et collectorium circa quattuor sententiarum libros(1495)はオッカムを祖述したものであるが、説明が明快で一貫し、また中世思想をよくまとめていて、唯名論の普及に貢献した。その神概念はルターに深い影響を与えた。
[常葉謙二 2017年12月12日]
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