ピピン(中)(読み)ピピン[ちゅう](英語表記)Pippin der Mittlere

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピピン(中)」の意味・わかりやすい解説

ピピン(中)
ピピン[ちゅう]
Pippin der Mittlere; Pépin le Jeune

[生]635頃
[没]714.12.16. リエージュ近郊ジュピル
フランク王国宮宰ピピン2世ペパンとも呼ばれる。大ピピンの孫で,662年叔父グルモアルドの野望による一家虐殺から逃れ,679年アウストラシア分邦の宮宰の地位を取り戻した。ネウストリアの宮宰ベルカリウスを 687年のテルトリの戦いで破り,ネウストリア王テウデリヒ3世を全フランク人の王として認めるとともに,自身はネウストリア,ブルグンドの宮宰も兼ねてフランク王国の実権を握った。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピピン(中)」の意味・わかりやすい解説

ピピン(中)
ぴぴん
Pippin der Mittlere
(?―714)

フランク王国アウストラシアの宮宰。カロリング家の祖。アウストラシアの豪族大ピピンの娘ベッガとメッツの司教アルヌルフの息子アンセギゼルとの間に生まれた。ノイストリアの宮宰エブロインと争い、テルトリーの戦い(687)でこれを破ったのち、ノイストリア、ブルグントの支配権をも掌握して、王国全体の実権を握った。アラマン人を討って、フランクの宗主権を認めさせ、フリーセン人を征服して、西フリーセンをフランク王国に併合した。またアングロ・サクソン・ミッションに援助を与え、教会改革を意図して、全国の教会会議を招集した。

[平城照介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android