ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピピン(小)」の意味・わかりやすい解説
ピピン(小)
ピピン[しょう]
Pippin III, der Jüngere; Pépin III, le Bref
[没]768.9.24. サンドニ
フランク王国,カロリング朝初代の王 (在位 751~768) 。ピピン3世,短躯王,ペパンとも呼ばれる。宮宰のカルル・マルテルの子で,741年に兄カルロマンとともに宮宰の地位を分け,743年に空位であった王位にヒルデリヒ3世をつけた。兄の修道院入りにより,フランク王国の実質的支配者となり,教皇の黙認を得て国王ヒルデリヒ3世を廃し,751年 10月から 752年1月のソアソン会議で推されてみずから王位につき,カロリング朝を開いた。その後教皇のために北イタリアのランゴバルド王アイストゥルフを討ち,ラベンナ地区を教皇に献じ,教皇領の発端をつくった (→ピピンの寄進 ) 。長子カルル1世 (大帝)がピピンの位を継いだ。
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