ピロン(Germain Pilon)(読み)ぴろん(英語表記)Germain Pilon

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ピロン(Germain Pilon)
ぴろん
Germain Pilon
(1525ころ―1590)

フランスの彫刻家。パリ生まれ。1560年代初頭からフォンテンブローに滞在していたと考えられ、アンリ2世のための『三美神』(1561、ルーブル美術館)にみられる優美なプロポーションは、1532年以後フォンテンブロー宮造営に参画したイタリア人画家プリマティッチオの芸術の特徴を受け継いでいる。廟(びょう)上に故人生前の着衣肖像彫刻を、その内部に横臥(おうが)像で裸体死者を表現するという、16世紀フランスに始まる墓碑型式は、ピロンの『アンリ2世とカトリーヌ・ド・メディシスの墓碑』(1563~70、サン・ドニ修道院聖堂)と『バランタン・バルビアーニの墓碑』(1583、ルーブル)で頂点を迎える。死者の姿をリアルにうつしながら、理想化が認められ、尊厳な表現になっている。また『復活のキリスト群像は、彼のミケランジェロへの傾倒を明らかにしている。肖像彫刻、メダルも制作した。

[上村清雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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