ファスター・ペイメント・サービス(読み)ふぁすたーぺいめんとさーびす(英語表記)faster payments service

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

24時間365日即時決済・送金ができる金融サービス。略称FPS。利用者は土曜・日曜・祝日を含めて毎日いつでも、数秒~15秒間というほぼリアルタイムで、振込みや預金受取りなどのサービスを利用できる。イギリスで2008年から始まり、イギリスの協力を得て、シンガポールが2014年から導入し、オーストラリアも2016年中に導入する。アメリカでは連邦準備制度理事会(FRB)が即時決済の検討を始めた。携帯電話会社や流通・IT企業などが相次いで即時決済サービスを提供し、インターネット上では仮想通貨ビットコインが普及するなど、FPSなどの24時間365日即時決済は世界の潮流となりつつある。
 イギリスのFPSは、バークレイズ銀行が中心となって設立した決済会社ファスター・ペイメント・スキームFaster Payments Scheme Limitedが運営している。個人手数料は無料で、2013年の年間取扱件数は9億6763万件、取扱金額は7714億ポンド(約133兆円)。FPSは個人の利便性を向上するほか、企業にとっては資金を効率よく活用できる利点がある。ただし決済額には上限があり、法人どうしの大規模決済には利用できない。
 日本では即時決済サービスを利用できるのは平日8時半から15時半までで、それ以降はデータを一定時間ためておき、まとめて処理する仕組みとなっている。このため世界の潮流に乗り遅れるとの懸念があり、安倍晋三(あべしんぞう)政権は2014年(平成26)の成長戦略に「資金決済の高度化」を盛り込んだ。これを受け全国銀行協会は2014年12月の報告書で「世界最先端の決済サービスを提供する」と宣言し、2018年にも現金の振込時間などを延長する方針を打ち出した。全国銀行データ通信システム(全銀システム)を更新し、イギリスを手本にした日本版FPSを構築する予定である。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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