ファブリキウス(Hieronymus Fabricius)(読み)ふぁぶりきうす(英語表記)Hieronymus Fabricius

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ファブリキウス(Hieronymus Fabricius)
ふぁぶりきうす
Hieronymus Fabricius
(1537―1619)

イタリアの解剖学者。アクアペンデンテに生まれ、パドバ大学に学ぶ。同大学の外科と解剖学教授となり、1604年以後は研究と著作に専念。人や動物の血管、胚(はい)、胎児胎盤臍帯(さいたい)などを詳細に研究。精緻(せいち)な銅版画を載せた『静脈弁について』『胎児の形成について』『卵と雛(ひな)の形成について』などの著書は好評を博した。静脈弁の正確で精密な記載は彼が最初であり、弟子ハーベーの血液循環論確立の基礎となった。自費で建てた解剖講堂(テアトロ)はパドバ大学に現存する。

[澤野啓一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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