ファラッカダム(英語表記)Farakka Dam

改訂新版 世界大百科事典 「ファラッカダム」の意味・わかりやすい解説

ファラッカ・ダム
Farakka Dam

インド北東部,西ベンガル州ビハール州との州境部でガンガーガンジス)川をせき止めるダム。鉄道・道路橋としても利用されている。カルカッタ(現,コルカタ)港を下流にもつフグリ川(ガンガー川分流)の水量を増大させて,沈泥の堆積により機能低下をきたした同港を再生させるため1963年に着工され,70年代初めに完成した。当時,現在のバングラデシュを領有していたパキスタンが,インドによる水利用の一方的変更に反対し,両国間の争点となった。バングラデシュの独立後も同国は76年に国連に提訴したが,77年に両国間でガンガー川の水配分に関する協定が成立した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファラッカダム」の意味・わかりやすい解説

ファラッカダム
Farakka Dam

インド西部,ガンジス川フーグリ川の分岐点近くのファラッカ村にあるダム。長さ 2244m。乾季海水逆流により水深が浅くなるコルカタ港 (カルカッタ港) の土砂を,ダムからフーグリ川への大量の流水によって浚渫する目的でつくられた。 1976年インドは全流量毎秒 1500~1600m3の4分の3を隣国バングラデシュとの協定がないままに取水。その結果,バングラデシュのガンジス川下流 (パドマ川) 域は深刻な水不足となり国際問題に発展した。

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