ファルナケス1世(読み)ファルナケスいっせい(英語表記)Pharnakēs I

改訂新版 世界大百科事典 「ファルナケス1世」の意味・わかりやすい解説

ファルナケス[1世]
Pharnakēs Ⅰ
生没年:?-前160ころ

ポントス国王。在位,前185-前160年ころ。前183年黒海に臨む都市シノペを占領し,以後この地を王国の首都とする。領土拡大を狙って近隣ペルガモン王国,ビテュニア王国などと戦いを繰り広げるが,彼の強大化を恐れたローマ介入のため,占領地の返還を余儀なくされた(前179)。しかし,黒海沿岸や南ロシア地域の諸都市,小王国との外交関係や戦争によって,大帝国の建設を夢見た彼の政策ミトリダテス6世に受け継がれていった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファルナケス1世」の意味・わかりやすい解説

ファルナケス1世
ファルナケスいっせい
Pharnakēs I

[生]?
[没]前159/前156
古代小アジア,ポントスの王 (在位前 185?~159/6) 。王国拡大をねらってペルガモン王国のエウメネス2世と戦ったが敗れた。シノペを足掛りに南ロシアの諸市とも通交した。アテネに贈り物をしたことが碑文から知られる。

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