フィッシャー(Ernst Otto Fischer)(読み)ふぃっしゃー(英語表記)Ernst Otto Fischer

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フィッシャー(Ernst Otto Fischer)
ふぃっしゃー
Ernst Otto Fischer
(1918―2007)

ドイツの化学者。ミュンヘン工科大学の物理学教授カール・フィッシャーKarl T. Fischer(1871―1953)の息子としてミュンヘン近郊に生まれる。1949年ミュンヘン工科大学を卒業。1952年博士号を取得した。1957年ミュンヘン大学の教授となり、1964年にはミュンヘン工科大学の無機化学部門の主任教授になる。1957年ゲッティンゲン科学アカデミーの化学賞、1959年ドイツ化学会のアルフレッド・ストック・メモリアル賞を受賞している。1972年にはミュンヘン大学の名誉博士号を受けた。

 炭化水素と遷移金属の反応のメカニズムの理論的研究を進め、フェロセンの構造として、環状分子によって金属分子が挟まれたサンドイッチ化合物概念を提唱するなど、有機錯体化学分野で先駆的かつ重要な成果をあげた。1973年に同じような研究を続けていたウィルキンソンとともにノーベル化学賞を受賞した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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