フィッシャー(Kuno Fischer)(読み)ふぃっしゃー(英語表記)Kuno Fischer

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フィッシャー(Kuno Fischer)
ふぃっしゃー
Kuno Fischer
(1824―1907)

ドイツの哲学史家。イエナおよびハイデルベルク大学教授。ヘーゲル派の思想家であったが、カントに立ち返った研究で有名である。彼の『近代哲学史』10巻(1852~1877)は人間精神の自己認識の発展という視点で描かれている。同じく哲学史家としても有名なウィンデルバントは彼の弟子である。哲学的にはカントとヘーゲルを仲介しようとする考え方を示したが、ショーペンハウアー影響を受けた著作も残している。

[佐藤和夫 2015年3月19日]

『玉井茂他訳『ヘーゲルの生涯』(1976/新装版・1987・勁草書房)』『岸本晴彦他訳『ヘーゲルの論理学・自然科学』(1983・勁草書房)』『将積茂他訳『ヘーゲルの精神哲学・歴史哲学』(1984・勁草書房)』

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