フェリー(Enrico Ferri)(読み)ふぇりー(英語表記)Enrico Ferri

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フェリー(Enrico Ferri)
ふぇりー
Enrico Ferri
(1856―1929)

イタリアの刑法学者、政治家。1880年24歳の若さでボローニャ大学助教授に就任したが、その就任講演はのちに改訂され、実証学派の刑法理論主著犯罪社会学』となった。1894年にいったん政界に入り、社会党議員として活躍。一時は同党機関紙『アバンティ前進)』の編集長を務めた。1904年にパレルモ大学教授に復帰、1909年ローマ大学教授に転じた。1920年に、委員の大部分が実証学派の学者よりなる刑法改正委員会の委員長に就任し、1921年に責任・刑罰の概念を否定したきわめて進歩的なイタリア刑法草案を発表。世にフェリー草案とよばれ、1926年のソビエト刑法に影響を与えた。

西原春夫 2018年10月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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