フッ化コバルト(読み)フッカコバルト

化学辞典 第2版 「フッ化コバルト」の解説

フッ化コバルト
フッカコバルト
cobalt fluoride

】フッ化コバルト(Ⅱ):CoF2(96.93).二フッ化コバルトともいう.水酸化コバルト(Ⅱ),炭酸コバルト(Ⅱ)フッ化水素酸に溶かして濃縮すると水和物が生成する.これをフッ化水素気流中で脱水すると無水物が得られる.無水物はばら色の粉末または結晶.密度4.46 g cm-3.融点約1200 ℃,沸点約1400 ℃.空気中で加熱すると酸化コバルト(Ⅱ)になる.水に微溶.熱水で分解する.酸に難溶,エタノール,エーテルに不溶.水和物には二,三,四水和物がある.いずれも赤色の結晶で,水に易溶.毒性は強い.[CAS 10026-17-2:CoF2][CAS 13817-37-3:CoF2・4H2O]【】フッ化コバルト(Ⅲ):CoF3(115.93).三フッ化コバルトともいう.フッ化コバルト(Ⅱ)にフッ素を作用させると得られる.淡褐色の粉末.密度3.88 g cm-3.封管中で安定である.湿った空気とただちに反応して黒褐色の粉末になる.熱すると分解する.水と反応して水酸化コバルト(Ⅲ)を生じる.炭化水素のフッ素化剤として用いられる.毒性が強く組織をはげしく刺激する.[CAS 10026-18-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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