フランシス(Sam Francis)(読み)ふらんしす(英語表記)Sam Francis

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フランシス(Sam Francis)
ふらんしす
Sam Francis
(1923―1994)

アメリカの画家カリフォルニア州サンマテオに生まれる。カリフォルニア大学では医学心理学を学んだが、第二次世界大戦に空軍兵士として参戦。飛行機事故で負傷し、2年間の病床生活中に絵を描き始め、画家として再出発した。1947年から抽象的作風を示し、50年に渡仏してパリ頭角を現した。抽象表現主義の第二世代といわれ、アクション・ペインティングの作風で知られる。純白のカンバス絵の具を垂らしたり飛び散らせたりするドリッピング技法を用いた抽象絵画は、画面に茫洋(ぼうよう)とした広がりの感覚を生み、見る人の心理に純粋な詩的反応を引き起こす。57年以降はしばしば日本を訪れて制作したが、その後はカリフォルニアを中心に活動した。

[石崎浩一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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