日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランソア(2世)」の意味・わかりやすい解説
フランソア(2世)
ふらんそあ
François Ⅱ
(1544―1560)
フランス王(在位1559~60)。父はアンリ2世、母はカトリーヌ・ド・メディシス。王妃はスコットランド王女メアリー・スチュアート。王位を継承しても、実権を王妃の伯父たちギーズ公フランソアやロレーヌ公シャルルにゆだねたので、これにプロテスタントの指導者ナバール王アントアーヌや弟のコンデ親王が強く反発し、アンボアーズ城から王を奪回する陰謀にまで発展した。この事件は失敗に終わった(1560)が、王自身は新旧両派の信仰の対立がもたらすフランスの混迷になんらの役割も果たすことなく、同年病死した。子宝に恵まれなかったので、王位は王弟シャルル(9世)に移った。
[志垣嘉夫]