精選版 日本国語大辞典 「フレミング」の意味・読み・例文・類語
フレミング
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
イギリスの細菌学者。スコットランドのロッホフィールドに生まれ,1897年にリージェント工芸学校卒業後,商船会社に4年間勤めた。1901年,ロンドン大学のセント・メアリーズ病院医学校に入学,卒業後引き続いて同校のライトAlmorth E.Wright(1861-1947)の研究室で細菌学を専攻した。第1次大戦の勃発とともに陸軍軍医団に加わり,フランスの野戦病院に派遣されたが,18年再び母校に戻り,29年に細菌学教授となった。早くから抗細菌性物質の研究を行い,1922年には溶菌酵素,リゾチームの発見などの業績をあげたが,最大の功績はペニシリンの発見であった。28年,使用済みとして放置しておいたブドウ球菌の培地にカビが混入し,そのカビの周りでは菌の発育が阻止されていることに気づき,そのカビを培養して得られたブドウ球菌発育阻止物質にペニシリンと名づけ,翌29年に発表した。この報告は発表当時は注目されなかったが,41年,H.W.フローリーとE.B.チェーンによって,臨床的に有効であることが確認された。45年,抗生物質第1号のペニシリン発見に対し,フローリー,チェーンとともにノーベル生理学・医学賞が授与された。
→ペニシリン
執筆者:川口 啓明
イギリスの電気工学者。1877年にケンブリッジ大学に入学,J.C.マクスウェルの指導のもとにキャベンディシュ研究所で標準電気抵抗の研究を行った。85年にロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの電気工学の教授となり,以後41年間この職にあった。一方,1882年からロンドンのエジソン電灯会社などの技術コンサルタントを務め,アメリカにエジソンを訪ねた後,89年にエジソン効果(熱電子放出現象)の研究を行った。
99年からは新興の無線電信会社マルコーニ社の技術コンサルタントになり,受信機の改良を手がける中で再びエジソン効果を取り上げ,1904年に整流作用をもつ二極真空管を発明した。その後は電気工学の教育に取り組み,29年にはナイトの称号を与えられた。磁場中で電流が受ける力の向き,磁場中を運動する導体に生ずる誘導起電力の向きを示す〈フレミングの法則〉の確立でも知られている。
執筆者:河村 豊
イギリスの小説家。ロイター通信社モスクワ特派員を務めた後,第2次世界大戦中は海軍秘密情報部に勤務。戦後はその体験を生かして,イギリス秘密情報部のスパイ〈007(ダブルオーセブン)〉ことジェームズ・ボンドを主人公とした,《カジノ・ロワイヤル》(1953)をはじめとする14冊のアクション小説を次々に発表した。フレミングにとっては文学的野心よりも,金もうけが執筆の動機であり,超人的な能力を備えた主人公が,ほとんど非人間的なまでに残忍,凶悪な異国の悪漢と死闘を繰り広げ,ついに勝利をおさめるという単純な筋立ての物語だが,いずれもベストセラーとなって,世界的人気を博した。作品の中に見られるように,彼は自動車,銃器,美酒,世界の風物に精通していた。
執筆者:小池 滋
ドイツ・バロック時代の抒情詩人。詩学の最大の理論家オーピッツの愛弟子であるが,師の冷徹な思索性を超克し,個人的感情と体験を民話調で吐露しながら,敬虔な生命,愛の喜び,自然の豊かさ,祖国の平和をうたい上げた。この早世した詩人の詩作にはペトラルカ風のラテン詩も多いが,彼は〈ソネットの名匠〉ともいわれ,そのいくつかは現在でも時代の隔りを感じさせないものがある。
執筆者:島田 勝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
スコットランド生まれのイギリスの細菌学者.ロンドンの工芸学校(Polytechnic)の商学科で学んだ.卒業後,4年間商船会社に勤務したのち,ロンドン大学St.Mary's病院医学校に入学して医学を学んだ.1906年同校の有名な細菌学者A. Wrightの助手となり,1928年細菌学教授となった.鼻の分泌液がある種の細菌を溶解することから,生体中に抗菌作用をもつ酵素リゾチームを発見した(1922年).1928年培養基に生えたアオカビが,まわりのぶどう状球菌を溶解することに気づき,アオカビよりペニシリンを抽出した.オックスフォード大学のH.W. ForeyとE.B. Chainは,ペニシリンを精製する技術を開発し,その結果,ペニシリンは化学療法剤として広く用いられるようになった.この業績により,1945年Forey,Chainとともにノーベル生理学・医学賞を受賞.晩年はエジンバラ大学の総長を務めた.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
1881~1955
イギリスの細菌学者。ブドウ状球菌の研究中,青かびが生えるとその周囲のブドウ状球菌が溶かされる現象を認め,1929年その有効成分を抽出し,ペニシリンと名づけた。第二次世界大戦中アメリカの協力で量産された。45年ノーベル賞受賞。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…まもなく,このプロントジルの有効成分は体内で分解されて生ずるスルファニルアミドであることがわかり,以後今日まで,その誘導体は数千種以上も合成され,そのうちサルファ剤の総称で各種細菌性疾患の治療に用いられてきたものも多数に及ぶ。このドーマクの発見に先だつ1929年,イギリスのA.フレミングは,たまたま寒天培地上の黄色ブドウ球菌の集落が,その周辺にできたアオカビの集落によって溶けることを観察し,アオカビの培養濾液の中に各種細菌の発育を阻止する物質(ペニシリン)のあることを報告した。10年後,この報告から出発してイギリスのチェーンErnst B.Chain(1906‐79)とフローリーHoward W.Florey(1898‐1968)は,ペニシリンの再検討と実用化にのり出し,さらにアメリカの協力を得て工業生産にも成功した(1941)。…
…日本では,これに〈抗生物質〉という語をあてている。1929年のA.フレミングによるペニシリンの発見,38年から41年にかけてのH.W.フローリーらによる〈ペニシリンの再発見〉以降,新しい抗生物質の探索が世界的に始まった。したがって,抗生物質という言葉も物質も比較的新しいものである。…
…イギリスの作家I.フレミング作《カジノ・ロアイヤル》(1953)から《オクトパシー》(1966)までの小説の主人公として登場する,イギリス情報部のスパイ007。美男子で超人的能力の持主で,しかもイギリス紳士の典型のような彼は,世界をまたにかけて活躍し,多くの女性たちを魅了する。…
…この研究はのちの1905年の日本海海戦の信濃丸の通報に大いに役だっている。 他方,1904年には,イギリスのJ.A.フレミングにより二極真空管が,06年にはアメリカのL.デ・フォレストにより三極真空管が発明され,これらの電子デバイスの発明に助けられて,無線通信は急速に発展していった。 電波は通信に利用されただけではない。…
…後者については右手が用いられ(右手の法則という),磁場の方向に人差指を向け,導線の運動の向きに親指を向けると,中指の方向に電流が流れるような誘導起電力を生ずる(図)。いずれの法則もJ.A.フレミングによって明らかにされたものであるが,最近では電流のまわりに生ずる磁場の向きが,右ねじの法則(磁場の向きは,電流の方向に右ねじを進めるとき,その右ねじの回転する方向になる)に従うことだけを基本にして,次のように記憶することがふつうになっている。すなわち,電流が磁場から受ける力は,電流によって生ずる磁場が外部磁場と平行な側から反平行な側へ向かう方向である。…
※「フレミング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新