フロン回収・破壊法(読み)ふろんかいしゅうはかいほう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フロン回収・破壊法
ふろんかいしゅうはかいほう

オゾン層の保護と地球温暖化の防止に向けて、フロン類の大気中への放出を抑制するためにフロン類を適正に回収・破壊することを目的としている法律。正式名称は「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」(平成13年法律第64号)であり、2001年(平成13)に制定された。
 フロン回収・破壊法は、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の3種類のフロン類を対象としており、一般的に、これらのフロン類を大気中にみだりに放出することを禁止している。次に、これらのフロン類が充填(じゅうてん)されている業務用のエアコンディショナー、冷蔵機器および冷凍機器を第一種特定製品であると定義し、第一種特定製品を廃棄する際に、これらのフロン類を回収・破壊するよう義務づけている。また、自動車リサイクル法(「使用済自動車の再資源化等に関する法律」平成14年法律第87号)に定められている特定エアコンディショナーを第二種特定製品であると定義し、その整備や取引にあたっては自動車リサイクル法の下での回収基準や手続に従うよう定めている。
 しかし、フロン類の回収率が低かったためフロン回収・破壊法は2006年に改正され(平成18年法律第59号)、2007年10月から施行された。その改正は、第一種特定製品の整備の際およびその部品のリサイクルの際にもフロン回収を義務づけるとともに、建築物の解体の際に第一種特定製品の有無の確認を義務づけた。また、フロン類の引渡しを文書で管理する制度(行程管理制度)を創設し、都道府県知事の指導権限を強化した。
 なお、フロン類の回収・破壊については、上述の自動車リサイクル法のほか、エアコン、冷蔵庫および冷凍庫を含む家電品のリサイクルを定めている家電リサイクル法(「特定家庭用機器再商品化法」平成10年法律第97号)も関係している。[磯崎博司]

フロン排出抑制法の制定

モントリオール議定書(1987年に採択)に基づき、オゾン層破壊物質である特定フロンCFC、指定フロンHCFCは生産量の削減が進み、CFCは2010年に世界で全廃した。またHCFCは先進国で2030年、開発途上国で2040年までに廃止することが同議定書で規定された。代替フロンのHFCは、オゾン層を破壊しないフロンとしてエアコンや冷凍庫などの冷媒に使用され急増してきたが、温室効果が二酸化炭素の100倍から1万倍以上あり、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が大きい。また冷媒回収率の低迷、機器使用中の大規模漏洩(ろうえい)の判明などの問題もあり、さらなる対応が必要となってきた。そのためフロン回収・破壊法は、これまでのフロン類の回収・破壊に加え、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる包括的な対策がとられるよう、2013年(平成25)6月に改正され、名称も「フロン排出抑制法(正式名称は「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」)」と改められた(2015年4月1日施行)。[編集部]

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