日本大百科全書(ニッポニカ) 「フローラ(女神)」の意味・わかりやすい解説 フローラ(女神)ふろーらFlora 古代ローマの花と豊穣(ほうじょう)の女神。オウィディウスの『祭暦』Fastiによれば、彼女はもともとクロリスChlorisという名のギリシアのニンフであったが、西風ゼフィロスに求愛されてすべての花を支配する力を与えられたという。彼女は古くから崇拝され、花と花による実りを守護した。その祭礼「フローラリア」では、豊作を祈る祭りにふさわしく、陽気でしかも卑猥(ひわい)な行事「フローラリア祝祭劇」が催された。またその神殿は、パラティンの丘にあったという。[伊藤照夫] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例