フンドゥス(読み)ふんどぅす

世界大百科事典(旧版)内のフンドゥスの言及

【ローマ】より

…奴隷制から小作制への移行の原因としては,帝政期に入って征服戦争がやみ,大きな奴隷源であった捕虜が得られなくなったこと,属州が経済的に発展し,オリーブ油やブドウ酒を自給し始めたために,イタリアの奴隷制農業の重要な条件の一つであった商品生産の市場が狭まったこと,大土地所有のいっそうの拡大により,大所領が奴隷制に適合する規模を超えてしまったこと,所領主の経営精神が変化して,小作制のもたらす小さくとも安定した収入を求めるようになったこと,などが挙げられている。ここで注意しなければならないのは,大所領といっても,いくつもの土地片(フンドゥスfundus)を集積したものであって,経営の面からみても,いわば中小の経営の複合体であったことである。奴隷制から小作制への移行は,一挙に起こったものではなく,この複合体のなかでの重心の移動という形で徐々に進んだと考えるべきである。…

※「フンドゥス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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