日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フーシェ(Alfred Foucher)
ふーしぇ
Alfred Foucher
(1865―1952)
フランスの考古学者。東洋史、仏教史に精通し、パリ高等研究院教授、フランス極東学院(ハノイ)院長などを歴任した。「インド学」を提唱したシルバン・レビのもとで学んだ彼は、1895年にインドに向けて調査に出たのを初めとして、パキスタン、イラン、アフガニスタンなどを訪れてガンダーラなどの仏教美術についての調査を行った。とくにアフガニスタン政府とは、1922年から30年間フランスの調査団が同国内の遺跡を独占的に調査を行うという協定を結び、カブールに「フランス考古学派遣団」(DAFA)を創設して、バーミアン石仏の調査をはじめ、バクトリア王国に関する諸遺跡の調査研究などに成果をあげた。
[植山 茂]