ブキャナン(James Buchanan)(読み)ぶきゃなん(英語表記)James Buchanan

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブキャナン(James Buchanan)
ぶきゃなん
James Buchanan
(1791―1868)

アメリカ合衆国第15代大統領(在任1857~61)。4月23日ペンシルベニア州生まれ。同州議会議員、連邦下院議員を経て、駐ロシア公使、上院議員歴任。第11代大統領ポーク治下の国務長官を務め、1846年のオレゴン条約を締結した。駐英公使を経て、56年の大統領選に際し民主党から立候補共和党のJ・C・フレモントを破って、57年大統領に就任した。カンザス・ネブラスカ法の成立後いっそう緊張の高まった南北対立のなかにあって、閣僚の人的配置や奴隷制廃止論者の動向に配慮し、南部諸州の連邦離脱の阻止に努めたが成功せず、やがて、事態は60年のA・リンカーン当選からサムター要塞(ようさい)における武力対立へと連なっていった。なお日米修好通商条約批准書交換のための遣米使節船を護衛した咸臨(かんりん)丸がサンフランシスコに到着したのは、この大統領の時代である。68年6月1日死去。

[中谷義和]


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