ブルガーコフ(Sergey Nikolaevich Bulgakov)(読み)ぶるがーこふ(英語表記)Сергей Николаевич Булгаков/Sergey Nikolaevich Bulgakov

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブルガーコフ(Sergey Nikolaevich Bulgakov)
ぶるがーこふ
Сергей Николаевич Булгаков/Sergey Nikolaevich Bulgakov
(1871―1944)

ロシアの神学者、経済学者。地方の司祭の子。少年時代唯物論に心酔し、モスクワ大学で経済学を専攻。ドイツで『資本主義と農業』(1898)を発表。帰国後キエフ(キーウ工科大学で経済学を教える。この時代(1901~1906)マルキシズムから自由主義に転向し、かたわらソロビヨフの著作と聖書耽読(たんどく)する。関心を宗教哲学に移し『マルキシズムからイデアリズムへ』(1903)を発表。ベルジャーエフとともに雑誌を発行、『道標(ベーヒ)』にも参加した。1910年フロレーンスキーと知り合い、しだいに神秘主義哲学に傾き、ソフィヤ論の研究に没頭し、『黄昏(たそがれ)ざる光』Свем Невечерний/The Unfading Light(1916)などを著す。彼のソフィヤ論は、ソロビヨフ、フロレーンスキーのそれを継承しつつも第四位格としての規定がより明確で、救済原理の面も強い。1923年国外追放され、1925年以降パリ正教神学校で教えた。

[御子柴道夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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