日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブルックナー(Ferdinand Bruckner)
ぶるっくなー
Ferdinand Bruckner
(1891―1958)
オーストリアの劇作家。本名テーオドア・タッガー。ウィーン生まれ。表現主義が新即物主義に移行する時期に、アクチュアルな時事劇で成功。退廃的な戦後の世相をフロイト的に扱った『青年の病気』(1926)、法の不備をつく社会批判劇『犯罪人』(1928)で名声を獲得し、ベルリンにルネサンス劇場を開場した。1933年アメリカに亡命、51年に帰国。歴史劇『イングランドのエリザベス』(1930)、『シモン・ボリバー』(1945)や古典改作『タイモンと金』(1931)、『ピュルスとアンドロマック』(1952)や詩劇なども書いた。
[岩淵達治]