ブルーニ(Fyodor Antonovich Bruni)(読み)ぶるーに(英語表記)Фёдор Антонович Бруни/Fyodor Antonovich Bruni

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブルーニ(Fyodor Antonovich Bruni)
ぶるーに
Фёдор Антонович Бруни/Fyodor Antonovich Bruni
(1799―1875)

ロシアの画家。イタリアのミラノ生まれのイタリア人だが、ロシアに帰化。ペテルブルグ美術アカデミーにおいてイワーノフおよびエゴロフ師事。イタリア留学(1838~41)ののち、ペテルブルグ美術アカデミーの教授、さらには学長になった。ローマで描いた『銅色の怪竜』(1825~41、サンクト・ペテルブルグ、ロシア美術館)は古典主義を代表する作品であるが、盲目的な信仰だけが人類を救うことができるという神秘主義に貫かれており、旧ソ連ではこの時代の反動性を示すものと批判された。しかし、イサク大寺院の壁画など多くの作品を残し、晩年は美術アカデミーの学長として、多くの画家たちを育てた。ソ連時代の評価は、彼の作品に表れている宗教性のために厳しいが、再評価される気運にある。

木村 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android