ブルームズベリーグループ(英語表記)Bloomsbury Group

デジタル大辞泉 の解説

ブルームズベリー‐グループ(Bloomsbury Group)

1906年頃から1930年頃にかけてブルームズベリーで活躍した、英国知識人芸術家によるグループ小説家ウルフフォースター、経済学者のケインズ、伝記作家のストレーチーなど。

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

ブルームズベリー・グループ
Bloomsbury Group

1906年ころから,イギリスのスティーブン家の姉妹バネッサ(のちのバネッサ・ベル)とバージニア(のちのバージニア・ウルフ)の家に集まった若い知識人のグループ。名称はスティーブン家がロンドンのブルームズベリー街にあったことに由来する。メンバーは,姉妹のそれぞれ夫になるクライブ・ベル,レナード・ウルフをはじめ,J.M.ケインズ,リットン・ストレーチー,ロジャー・フライ,E.M.フォースターらで,美術評論家,政治評論家,経済学者,小説家など多分野にわたっているが,いずれも同世代でケンブリッジのトリニティ,キングズ両学寮で学んだ。そして当時の哲学教師G.E.ムーアの《倫理学原理》(1903)の中の〈最も価値あることは人の交わりの喜び,美しいものを享受すること〉という文句に影響されていた。彼らの姿勢は既成のこわばった道徳観念の打破,柔軟な不敬の念,進歩・自由への信念,美への専心ということに集約される。第1次大戦後の混乱の中で最も価値あるものを生み出したイギリスの知的エリート集団ということができるが,同時に上流気取り,道徳的無軌道(とりわけ同性愛の性癖)などの批判も投げつけられた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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