日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブレンターノ(Bernard von Brentano)
ぶれんたーの
Bernard von Brentano
(1901―1964)
ドイツの作家。後期ロマン派の詩人ブレンターノの子孫。ジャーナリストとして活動ののち、評論『資本主義と文学』(1930)で社会批判的唯物論を肯定し、1933年から49年までスイスに亡命、そこでトーマス・マンと親交を結んだ。詩人の情熱と冷静な批評家精神の交錯がその創作活動を特徴づける。評伝『A・W・シュレーゲル』(1943)や『ゲーテとマリアンネ』(1945)、現代の回想記ともいえる小説『テオドア・ヒンドラー』(1936)およびその続編『フランツィスカ・シェーラー』(1945)、ほかに亡命時代の回想録(1953)や評論『文学と世論』(1962)などがある。
[谷川道子]